リディア・シャッフェンとフレッチャー

Content

{s35}
リディア・シャッフェンとフレッチャー{/}{np} 最も優れたアーチャーでも必ずぶつかる問題がある。それは、矢は消耗品という事実だ。
リディア・シャッフェンが使う弓は、彼女が心血を注いで作り出した稀代の名弓であり、矢も同様だった。
しかし一度作ると使い続けられる弓と違い、良質の矢は永久的なものではなかった。
{np} 永久に回収して使える矢を作ることは不可能であり、リディア・シャッフェンは自身の矢を作るのに多大な時間を費やした。
そしてこれには材料の調達というもう一つの問題も存在した。
{np} リディア・シャッフェンがこのような問題に直面したのは彼女がまだ門下生を取る前だったため、彼女の悩みはとても深刻なものだった。
したがって偶然であれ女神の摂理であれ彼女がマスターフレッチャーと出会わなければ、その後星の塔の建設とそれに伴う一門の創建もなかったというのが多くの歴史学者の定説である。
{np} 世界中の矢職人の中で最も有名になった、後のマスターフレッチャーと言えばこの人を指す代名詞になった人物だが、リディア・シャッフェンと違いマスターフレッチャーの本名は知られていない。
{np} 彼のいた時代から彼はマスターフレッチャーという名で呼ばれており、当時の人々はもしかすると知っていたかもしれない本名は意外にも歳月の流れと共に消えてしまった。
いくつかの伝承によると、彼の本名はジョン・ブラックスミス(JohnBlacksmith)であったと言われている。しかしこの名前自体が固有名詞ではなく普通名詞の可能性があるうえ、信頼できない点が多いため、学者たちの支持を得られていない。
{np} とにかく、リディア・シャッフェンはマスターフレッチャーという矢職人と出会ってから本格的に勢力を集めることができ、星の塔の完工という一大工事を始める基盤を得たと見ることができる。
残念なことに、マスターフレッチャーの矢作りの秘法はその当時も秘密とされていて、今は歳月の波に流されてさらに謎に包まれている。
{np} ただし後代のアーチャーたちにとって一縷の望みと言えば、マスターフレッチャーの矢作りの多くは女神の祝福に起因しているという点だ。
つまり、女神の祝福を受けた人ならば誰でも、マスターフレッチャーが作りリディア・シャッフェンが使用した矢と同じ矢を作ることができるというわけだ。
{np} もう一つの希望を付け足すとしたら、それはマスターフレッチャーが自分の秘法が実践されないよう製造の秘法書をどこかに確実に隠した、という点である。{np} {s20} そういった点で、マスターフレッチャーの矢作りの速さは彼の才能に他ならないが、強力な矢を作る秘法は今も世界のどこかで見つけられる日を待ちながら眠っていると考えられる。

Description

伝説のアーチャーと伝説の矢の製造者の物語。読むことができます。

Information

Cooldown: 
Lifetime: 
Weight: 1
Silver: 1